医薬品の品質を「データ活用」で守れ! ナガノサイエンスが創造するSaaS×提案型ビジネス

インタビュー INTERVIEW

SaaSセクションのマネージャー山下さん

当社は確かな顧客基盤や業務効率化のニーズを背景に、
データ活用の挑戦を加速中、 様々な専門性を持つ人材が 情熱と好奇心を武器に活躍しています。 今回は、SaaSセクションのマネージャー山下さんに、 ナガノサイエンスにおけるソリューションビジネスや 商品企画の醍醐味を聞いてみました。

SaaSセクションのマネージャー山下さん

山下 裕史

2014年ナガノサイエンス株式会社に新卒として入社、
主に関西の製薬メーカーの営業担当として従事する。
その後、商品企画系の部署に異動、
現在はSaaS製品の企画・マーケティングに携わる。

「ソリューション提案営業」から「商品企画」へ

「ソリューション提案営業」から「商品企画」へ

interview

photo

――学生時代の専攻や入社までの経緯について教えてください。

大学では経営学部でイノベーションマネジメントのゼミに参加し、 主に半導体産業の標準化などの企業戦略を勉強していましたね。

就職活動では、業界問わずBtoBメーカーの営業職を志望し、 様々な企業を見ていた中でナガノサイエンスを知りました。 医薬品の試験装置というニッチな分野で先進的な投資や取り組みを行い、 お客さまをリードする提案にも積極的で、面白そうな会社だと感じました。

他にも数社検討していたものの、ただ製品を売るだけではなく 「特定のお客さまと深い関係を構築しながらソリューションを提供するビジネスモデル」 に惹かれました。製薬業界の安定性も魅力に感じましたね。

1次面接の担当者は経営学にも関心を持つ方で、良いディスカッションができました。 社会人になっても広く学び続け、学生の意見も真剣に聞く人がいる会社だと好印象で、 当社の志望度が上がり、入社に至りました。

――入社から現在まで、どのような業務を担当してきましたか?

半年間の研修を経て、入社後は営業として大阪エリアの製薬メーカーを担当しました。当社が作る医薬品安定性試験の装置は、 納入後10年以上の利用を想定した製品です。更新や試験状況に応じた増設など、 導入計画のスパンも長いのが特徴です。装置を増やすタイミングなど、お客さまとともに導入計画を考える提案営業を4年ほど行いました。

その後、徐々に商品企画へと軸足を移し、現在は社内の最新サービスの企画・開発を行うSaaSセクションに所属し、サービス企画と国内マーケティング等を担当しています。お客さまの要望をヒアリングし、作りたい製品のコンセプトを開発部門に伝え、それを仕様書に落とし込んで開発者とともに新たなサービスを企画しています。



『 物を売るだけではないビジネスの面白さ 』

photo

――商品企画では、具体的にどのような商品を
手がけているのでしょうか。

当社は、大きく分けて2つのシステム製品を扱っていて、SaaSセクションではとくに2つ目の検体出納管理ツールの開発企画を進めています。

1つ目は、「安定性試験保存チャンバー」と呼ばれる医薬品のための保存機器を集中管理する目的で使用するモニタリングシステムです。お客さまはチャンバー内の温湿度などをモニタリングする必要があり、当社のシステムでそのデータを収集・蓄積します。

2つ目は、チャンバーで保存する医薬品の検体出納管理ツールです。安定性試験中の医薬品は、 1~3年間の保存期間のなかで複数回取り出して分析にかけるタイミングがあり、 「来週取り出し予定」「試験終了」といったリマインドと作業実施のサポート機能を有していて、 ミスなく効率的な検体の出納管理をサポートするシステムを作っています。

これに加えて、チャンバー自体の情報管理を目的とするSaaSサービスも企画しています。 保存機器の導入時期や定期点検、メンテナンス結果といった機器情報は、これまで当社内だけで管理されていました。このSaaSサービスでは、機器情報をお客さまと共有して一緒に更新しながら使えるようにする試みをしており、企画、実装、プロトタイプのフィードバックが進行中です。

――「オペレーション」と「装置」の両面から、医薬品安定性試験を支援しているんですね。マーケティング部門の仕事でやりがいを感じるのはどんなときですか?

入社当時、お客さまの多くはエクセルや手書きの管理表で安定性試験を運用・管理されていて、システムによる日常的な運用サポートの必要性を感じました。 そこで、作業を効率化できて普及しやすいシステムを企画。リリースに向けてお客さまから良い反応をいただき、やりがいを感じています。 お客さまの新拠点立ち上げに伴う当社製品の導入もあり、計画の初期段階から直接声をかけられることも珍しくありません。

過去に経験した大型プロジェクトでは、新設される建物のレイアウト図を見ながらチャンバーやモニタリングシステムの配置、 人の動線などをお客さまと検討・企画しました。技術者とともに現場でお客さまと対話を重ねるこの仕事には、 単に物を売るだけではないビジネスの醍醐味を感じます。

――新しいサービス企画の仕事のやりがいはいかがですか?

設置済みの機器情報をSaaSで管理するにあたり、「お客さまも、当社が保有する機器情報を見たいのでは?」 という仮説から、一緒に使えるものを開発しようと動き出しました。

お客さまに聞いたところ、「面白そうだし効率化になるからぜひ挑戦してほしい」と良い反応をいただき、現在プロトタイプを設計中です。自分たちの仮説に興味を持ってもらえたことに加え、双方がハッピーになるサービス作りに手応えを感じます。

製薬メーカーでは検体の出し入れや機器の点検記録において、情報管理の厳密さが欠かせません。情報の集約性とアクセス向上を実現すれば、業務効率の改善に加えて査察対応にも活用でき、安定的な操業が可能となります。お客さまの事業運営や医薬品供給に貢献するナガノサイエンスの役割を 実感しますね。



『管理職は挙手制、新卒入社5年目のマネジャーも』

photo

――ナガノサイエンスの企業カルチャーや働き方について教えてください。

実直で真面目な従業員が多く、経営層が的確にリードしながら先進的な取り組みを進めている会社です。私が入社した2014年以前は中途採用が多く、 40代前後は多様なバックグラウンドを持つ人がいます。

営業や事務は千里中央にある本社、生産と開発企画は高槻市の工場と、拠点が分かれています。 私が所属しているセクションは本社と高槻を行き来していますね。商品企画は、 毎日出社必須の人を除いて週2回程度の出社、残りはリモートワークで、TeamsやSalesforceなどのオンラインツールでコミュニケーションを図っています。

――成長やキャリア形成の環境はいかがでしょうか?

力量取得に必要な書籍購入費は会社が負担してくれるので、自発的に勉強しやすい環境です。「お客様をより深く理解する」という点では、お客様の検体をお預かりして保存を代行する事業も行っているため、社内には医薬品保存環境を模した受託保存施設があり、実際の業務の運用方法を知り、作業従事者に話を聞くこともできます。お客さまのプロセスを理解する上でなくてはならない機能であり、そこでの気付きが製品・サービスにフィードバックされています。当社のユニークな点のひとつだと思います。

キャリア形成について、当社の組織運営職は立候補制で、2年に一度行われる小論文と面接に合格するとリーダーやグループマネジャーになれます。 グループマネジャーになった同期が数人おり、新卒入社から5年でマネジャーになった若手もいます。「こういうことがやりたい」と挙手すれば部署を立ち上げてもらえる例もあり、面白いアイデアが採用されやすいことも魅力です。セクション内では 週次ミーティングで担当外のタスクについても質問や提案ができ、活発なコミュニケーションが組織の柔軟さを生んでいます。

――山下さんは業務知識やスキルをどのように習得してきましたか?

当社の事業内容は理系寄りですが、ニッチな業界であるため、理系・文系を問わず手厚い教育研修を通して業務に必要な知識を学びます。マーケティングの一般論は大学で勉強しましたが、「実務では、フレームワークよりも自分で調査した結果に基づく仮説検証が重要」という考えで、業務を通じた知見の蓄積を意識しています。

当社はSaaS系のサービスを拡充中なので、「物を売るだけでなく、お客さまのビジネスに興味を持って提案することで価値を生む」という考え方は、 経営学部で得た学びに通じる部分があると感じています。


『データ活用に積極的な人材を求む』


――仕事で大変なこと、チャレンジングなことはありますか?

商品企画の仕事を始めた頃は、お客さまの業務プロセスや求められているサービスをイメージすることに苦戦しました。 何度もお客さまのもとへ足を運び、教えていただきながらじっくり理解を深めました。

マーケティング視点のアイデアや方針については、「社内に理解してもらう」というチャレンジもあります。自身が発案したコンセプトや売上計画について全員で議論・納得し、合意へと至るプロセスはやりがい十分ですね。

――今後の目標や夢を教えてください。

まずは検体出納管理システムについて、2024年に念願のリリースを迎えることができました。現在はお客様への導入・サポートを進めています。今後もSaaSを活用してお客さまの業務改善に寄与する一連のサービスを企画中なので、順次世に出しつつ、それが効果を発揮するところを見たいと思っています。
これからもお客さまの業務プロセス改善に役立つソリューションの提供と継続的なサポートを通して当社のビジョンである最高の安定性試験プロセスの開発と普及に貢献したいと考えています。

――最後に、これから一緒に働く人材に求めることをお聞かせください。

ビジネスにデータを活かす潮流が強まる中で、求められているのはデータがなければ取ってくる、という泥臭い仕事も含めてデータの収集と活用に積極的な人。従来なら経験をベースにしていた意思決定も、現在はお客様の活動データやセンサーの経年劣化データなど、 様々な情報を組み合わせて検討・実施できます。

スピード感を持って仕事するには、新しい挑戦と目の前の業務改善の双方に目を向けるバランス感覚や、人とのコミュニケーションスキルも重要です。特にSaaSセクションは新しい部署として注目されているので、発信力やアピール力があればさらに効果的な仕事ができると思います。

※この記事は2022年9月ー2023年8月までラボベースで掲載されたインタビューページを再編集したものです。